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年の瀬を迎えて

 巨大地震に原発震災と、悲痛だった2011年も、あと数日で終わろうとしている。

 この正月に限っては、心から祝うといった気分には、誰もなれないことなど言うまでもなかろう。

 12月には政府が、福島原発は収束しましたなどと、総理自ら宣言をした。あの報道には唖然としたものだ。格納容器から溶け出した核燃料は、
まだ地面の中にある。そんなことは、素人でも皆が分かっていることで、官僚の言いなりになって『終息宣言』を読み上げただけなのは明白だ。何と無責任なことかと思う。

 それどころか、28日には環境省が、千葉県の柏市で、65万ベクレル(毎時57.5マイクロ・シーベルト)ものホットスポットがあることを明らかにした。長時間居れば致死量に匹敵するが、これは、福島原発事故で出たセシュウムに汚染された雨水が濃縮して、高い値になったものだという。
 
 ということは、セシュウムの半減期は30年であり、雨水は山などの高いところから、人々が暮らす低いところへとまだまだ流れ続けるわけだ。今後も、値が今以上に高くなることはあっても、下がることなど、少なくとも10年以上はないだろう。

 これは、本来、もっと大きく取り上げられるべき大問題、『非常事態』ではないのか。もっと言えば、こんなのは氷山の一角である。たまたま計測されて見つかっただけで、これからも、もっともっとホットスポットが出てくるであろう。

 そのことは、菅直人前首相が記者の質問に答えるかたちで、この報道に書かれた内容を見ればあきらか。 事故直後に『最悪のケースでは東京を含む首都圏の3千万人も避難対象になるとの結果を得ていた』ことを明かしているのだ。

 事故当時に枝野(官房長官だった)は、緊急宣言の発表で、メルトダウン(炉心溶融)は起こっていないと嘘を言った。そして、『ただちに健康に影響は出ません』と言った。いかにも、法律ギリギリのところを渡り歩く、弁護士あがりらしい発言である。『ただちに』をくっつけているから、騙したことにはならないからだ。3年から5年経って、チェルノブイリと同じパターンのように、最初は成人病(脳卒中、心筋梗塞、糖尿病など)が増え、亡くなる人が出る。そして、本来なら癌にはならない子供たちが、癌になる。放射能によると、はっきりとは、断定できないような病気が異常に増えて、亡くなる人も徐々に増えていく、これが原発震災の、真に恐ろしいところではなかろうかと、私は思っている。

 兎に角、少しでも早く、できるだけ多くの隠れたホットスポットを見つけて、立ち入り禁止にすべきだ。そうしないと、犠牲者がますます増えることになるであろう。


 そして、ここからが重要なことだが、私は巨大地震がまだこの先も起こると考えている。取り敢えず、パフォーマンスではあったが? 『浜岡原発』は停止した。よくは分かっていないが、1年も経てば冷温停止状態になるのか? それまでは起こらなければ良いが、とにかく東海から神奈川や甲信のリスクは減らせたであろう。だが、他の原発はまだ、すべてが停止しているわけではない。

 今回の福島第一原子力発電所のお粗末な事故だけでも、最終的には、いったいどれだけの補償金額が必要となるのであろうか。結局、原子力発電が一番のローコストであると云ってきたのは大嘘のでっち上げではなかったのか。こんなに高くつく電気が、いったい、他のどこにあるのだろう。

 お金の問題はさておきとしよう。 まだまだ地震は今後も起こる。 そうすると、一番の問題なのが、原発事故が起これば、失われるのはまた国民の生命と財産である。 なぜ日本人、というか、『日本国民』は、これを何とかしようとしないのか? 長い間の洗脳とは、まこと怖いものだとつくづく思う。 世の中には、白もグレーも黒も実際にある。 これが、テレビなどで洗脳をうけると、誰かがグレーを白だと言えば白に、黒だといえば黒になるわけだ。 いいや、俺はそうは思わねぇぞ、これは白じゃなくてグレーだ、なんて言おうものなら、此奴は風潮を乱した悪い奴だとなってしまうわけだ。 
 そして、仕掛けた黒幕(企業や癒着した官学など)はというと、背中をむけたら、舌を出してニタニタとしていることであろう。


 これらの問題には、年末年始などないと、私は思っている。いま考えて行動に移さない限り、この悲劇は、また繰り返されることとなるからだ。



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